こんにちは、モンブラン万年筆買取.comのkiyoです。
今日の万年筆買取日記のペンは、鎌倉彫 インク止め式です。
(うーん、今回はだいぶ写真が甘かった・・・)
万年筆の方式というと普通に思い浮かべるのは、カートリッジ式か、吸入式ですが、その他の方式も存在していまして、そのひとつに、万年筆黎明期に日本でよく使用されていたインク止め式という仕組みがあります。
よく似た仕組みに、アイドロッパー式というものがありますが、
違いは文字通り「インク止め」があるかないかです。
インク止め式は、胴軸内部に尻軸から、首軸にかけて1本の棒が通っていて、この棒が筆記しないときは、首軸にあるインクの流入穴に蓋をしてインクが流れ込まないようになっています。
使用しないときに、インクがペン先からこぼれることを防いでいるのですね。
使用するときは、尻軸を緩めて、首軸の蓋を開けることでインクが流れて筆記ができるようになります。
これ、簡単なようで、実はインクがうまく流れるにはかなりの技術力が必要なのだそうです。
確かに考えてみると、液体って、望むところに流すのって空気や粘性が邪魔したりでなかなか難しいのですよね。特に小さな穴であればなおさらですね。
このインク止め方式は、エボナイト製の万年筆がたくさん作られたころ(大正~戦前?)に多用された方式で昭和30年くらいまで普通に製造されていたようです。
昭和四年(1929年)には、ペリカンがピストン吸入式を発売していますし、その他の吸入方式もあった訳ですが、インク止め式は機構の単純さとペン芯のインク保持力が十分で無くてもなんとかなるということから使われ続けてきたのだと思われます。
今回、この鎌倉彫のインク止め式の万年筆の入荷にあたり、実際にインクを入れて使ってみたのですが、
うん、これでいいじゃん!
というのが素直な感想です。
インク吸入は、ピストン吸入式が今の主流ですが、この機構の分、万年筆が高額になってしまっているのも事実。
さらに、壊れた場合の修理代金も高額です。
(感覚的には、ボッタクリに近い感じもしますが・・・・)
目的は、「本体にインクを入れる」
ということですから、これで必要十分なのです。
手が汚れるかもというのは、ピストン等の吸入式でも同じです。
インク止めの使いにくさを挙げると
1.どのくらい入れればよいのかわかりにくい
・内部が暗くてみにくい
・どのくらいまで入れれば良いかが明確でない
2.パッキンの交換がある程度の年数で必要
3.入れるためにスポイト等が必要
このくらいだと思います。
1も2も、けっこう簡単に解決できそうでしょう?
3は、まぁ、そのくらいはね、ガマンしましょう。
1.ついては、約何cc入りますということと、内部に「ココマデ」
っていう湯沸かしポットみたいに簡単な表示があれば良い
スポイトが付属なら、ここまでってスポイトに印があれば良いですよ ね。
2,については、汎用のoリングとが使えればベストですが、それが無理であれば、10個くらい付属させておけば良いでしょう。
と、そんなふうに考えてみましたが・・・
なんにしても、インク止めって、ノスタルジーもあって、とっても良いです。
秋が深まってまいりました。
冬の足音もヒタヒタと。
今年は暖冬とも言われておりますが、実際のところはどうなのでしょうね。
ところで、天気予報の気温に関するコメントがおおげさでけっこう惑わされます。
気温が上がるといったって、11月です。
温度が高い時間も短いので、薄着ででていくと寒い思いをすることも・・・
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